スポーツアロマとドーピングコントロール
2019/06/04 07:22アロマテラピーは2006年4月10日の椎間板ヘルニア手術後のケアの為、書籍片手に独学。右も左も分からず必死さだけで直進開始することになったので、アロマテラピーの出逢いの場となった横浜元町駅直結の生活の木へは、ノートを持参して毎日のように通い、精油の細やかな使用方法を店員さんから教えていただいていました。
手術後の夫は駆け上がるような活躍を見せ日本代表に選出。ケアの目的が食事同様に、回復からコンディショニングアップに目的が併用移行してきた為、本格的に嗅覚特性を利用した施術に取り組もうと、当時、横浜F・マリノスみなとみらい練習場に程近かったニールズヤードレメディーズみなとみらい校に通学。
●ニールズヤードレメディーズ
https://www.nealsyard.co.jp/school/aroma/advanced.html
ここで基礎・応用を学び、2007年3月の試験に合格。アロマテラピー教育のスペシャリスト、アロマテラピーインストラクターの資格を取得しました。
その後の方向性の機となったのは2007年4月14日に行われたスポーツアロマフォーラム。
当時の日記が残っています。
2007年4月14日
日本スポーツアロマトレーナー協会主催、日産スタジアム(横浜国際総合競技場内)にて「スポーツアロマフォーラム2007」が開催された。一般募集を受け付けており、勉強の為に参加させていただくことに。
しかし蓋を開けてみれば、私以外は全員協会員、既にスポーツアロマトレーナーの資格保持者。鍼灸師、指圧マッサージ師、医療現場で働く先生方、実業団や各チームで実際にマッサージを施すトレーナーなどで、言いなればその道の「プロ」ばかり。場違いな所に駆け込んでしまったと、出来るだけ目立たない隅の方へ座り「何か質問されたらどうしよう、どう答えよう」と縮こまっていました。
第4回スポーツアロマフォーラムタイムテーブル
12:00~13:30
特別セミナー『セラピストのための栄養学』
寺田照子・JADA(日本アンチドーピング機構)テクニカルオフィサー。10年以上日本代表クラスの選手の栄養サポート・セラピストがアドバイスする栄養学・プロが知っておきたいドーピングの知識・最新サプリメント情報
13:30~16:30
症例発表1『2006兵庫国体ラグビー活動を終えて。施術前後に香りの嗜好変化はあるのか?調査結果』有野康介
症例発表2『競技スポーツとしての中国武術』武田幸子(元日本代表)
症例発表3『高校野球部におけるスポーツアロマ症例について』遠藤飛鳥
症例発表4『花園ラグビー出場校帯同 チームケアのスポーツアロマ』柏木里美
16:30~17:00 『発見!香り嗜好がもたらす影響力と自律神経の変化』神崎貴子
始まってみると、アスリートの栄養指導を担当する寺田照子氏による特別セミナーは「セラピストのための栄養学」と題して、セラピストがアドバイスするべき栄養学、ドーピング知識、最新のサプリメント事情などについて、サッカーの現場にも直ぐに生かせる内容の非常に濃いものだった。アテネ村での柔道の谷、井上両選手の試合当日までの食事及びドーピングに関与しないサプリメントを、スライドを使って解りやすく説明。試合までの時間と食べ物の関係を消化時間に伴い逆算で考える手法、ハーフタイム栄養補給に適するグルコース濃度、プロテインとアミノ酸に関する消化吸収の違いを全てデータとして出しているのを見たのは初めての経験で、インストラクター試験でもさんざん勉強した注目のBCAA(分岐鎖アミノ酸)についての最新情報もあった。
更に注目したのはドーピングコントロールについて。夫は普段からこれでもかというくらい、生活で使用するもの全てに気を使う。チームドクターが処方する以外の薬、栄養剤、漢方薬は問題外として、頭髪剤や歯磨き粉、肌に直接塗布する化粧品など、日常のありとあらゆるもの、何がドーピングにかかるか解らない為、神経を張り巡らせて生活しなければならない。
数年前まではカフェインが禁止とされていたほどで(2004年より禁止物質から除外。監視プログラムに移行。しかし多用されれば再度禁止物質になる可能性)例え禁止されていないものでも真新しいものは危ないと疑ってかかった方が無難だろう。これは勿論精油にも言える事で、一般的に市販されている精油の中にはドーピングに禁止される成分はまず含まれていないが、あまりメジャーではない精油の中にはドーピングコントロールで禁止される成分が含まれていることもあるとのこと。日本アンチドーピング機構のホームページで禁止成分を随時チェックするようにとの指導があった。具体的なドーピングに関与しない精油の名前に関しては、来月、恵比寿でスポーツドーピングに関する講演が開かれるそうだ。夫の体に触れる以上は私にも責任がある。中途半端な知識ではまずい。積極的に参加し、知識を深めて自分のものにしていきたい。
また、スポーツアロマトレーナーでシドニー五輪選手村ボディケアセンターにて日本人初参加、アテネ五輪選手村内マッサージルームでスポーツアロマトレーナーとして海外選手のボディケアを担当。国際大会、東京マラソンなどでも活躍する神崎貴子氏による講演も行われた。
神崎貴子(かんざきたかこ)
有限会社プレミナ 代表取締役(スポーツ推進企業3年連続受賞・スポーツエールカンパニー受賞)NPO法人日本スポーツアロマトレーナー協会 設立者。協会認定校第1号として「プレミナセラピストスクール」を開校。2020年の東京オリンピック・パラリンピックで、アスリートの方たちをスポーツアロマでケアしたい。その夢に向かって、スポーツアロマの素晴らしさを伝え、スクールで知識・技術を教え、治療院で施術し、と日々精力的に活動している
主な経歴
シドニーオリンピック帰国後、NPO法人 日本スポーツアロマトレーナー協会を設立
IOC(国際オリンピック委員会)より招待状を受け、アテネオリンピック選手村内にて海外アスリートのケアにあたる(アジア人初)
ロンドンパラリンピック日本代表マラソン高橋勇市選手担当
プレミナセラピストスクール 校長
さくら治療院 院長
ヴェレダ・ジャパン アンバサダー
株式会社ドーム(アンダーアーマーアスリートハウス)オイルマッサージ担当
九州学院自転車競技部 専属トレーナー
鍼灸、スポーツアロママッサージを中心に、治療院を経営する傍ら、スポーツアロマトレーナーの育成に東京、大阪、福岡にスクールを開校。指導実績は4000人を超える
呉竹医療専門学校(大宮校)講師
東京医療福祉専門学校 教員養成科 講師
関西医療大学 講師
神崎氏からは「香りの嗜好」がもたらす影響力と自律神経の変化についての発表があった。唾液に含まれるホルモン、クモログラニンA(カテコールアミンのように運動や食事によって影響を受けない)自律神経系の反応を取ったデータの比較資料から、精油の成分の知識以外に香りの好みも大きく作用することが解り、今後は頭でっかちの施術は避けてブレンディングしていこうと再認識させられた。勉強不足で理解出来なかった用語もたくさん出てきたが、現場の生の声や多数の症例ははかなり貴重なものだった。講演後、協会の方とお話をする機会があった。一般参加した経緯を尋ねられて説明をすると協会の方から「柔道の野村選手の奥様もセラピストで普段のコンディショニングケアは奥様がなさっています。山瀬さんも頑張ってくださいね」とアドバイスをいただいた。勉強を重ねて知識を深め、技術を習得し、実戦で生かしたい。
以下ドーピングに関する参考文献です🌸
http://www.otc-spf.jp/symposium/pdf/h29b_01.pdf
https://www.meijo-u.ac.jp/sp/harbal_medicine/2019/063.html
2019年度
ラグビーワールドカップ2019を終え、来年の東京オリンピックに向けて、いろいろな種目で代表権争いも繰り広げられており、例年以上にスポーツが日々の生活の中で話題となっていることと思います。その一方で、ドーピング問題もまた話題となっています。
ドーピングとは、アスリートの競技能力を増幅させる薬物や方法を不正に使用することをいい、World Anti-Doping Agency(WADA)は禁止薬物を指定して、スポーツの基本理念および精神に反する行為、選手の健康被害、社会悪を防止しようとしています。具体的な禁止薬物や禁止方法は、毎年1月1日にWADAが発表する禁止表に定められ、原則12月31日まで有効とされます。禁止薬物は、(1)常に禁止される物質、(2)競技会(時)に禁止される物質、(3)特定競技において禁止される物質の3種に分類されています。
2019年の禁止表を見ますと、生薬に由来する化合物がいくつか掲載されています。(1)の常に禁止される物質には、ベータ2作用薬(※1)としてヒゲナミンが、(2)の競技会(時)に禁止される物質には、興奮薬としてエフェドリン、プソイドエフェドリン、ストリキニーネがそれぞれ該当する化合物として記載されています。この中で、ヒゲナミンは呉茱萸(ごしゅゆ)、細辛(さいしん)、丁子(ちょうじ)、蓮肉(れんにく)、附子(ぶし)、南天実(なんてんじつ)やイボツヅラフジに含まれますし、エフェドリンやプソイドエフェドリンは麻黄(まおう)に、さらにストリキニーネはホミカに含まれる成分です。
アスリートが風邪の治療にと服用した漢方薬が原因となり、ドーピング検査で陽性反応が出たという事例の多くは、麻黄のエフェドリン、プソイドエフェドリンや細辛のヒゲナミンだと思います。風邪の引き初めにと使われる葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおうとう)には麻黄が入っていますし、鼻かぜやアレルギー性鼻炎に用いる小青竜湯(しょうせいりゅうとう)には麻黄と細辛、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)にはそれらに加えて附子も入っています。
エフェドリンやプソイドエフェドリンは(2)の競技時に禁止される物質でもあるので、アスリートも気をつけることができるかと思うのですが、(1)にリストされているヒゲナミンを含むものには香辛料のクローブとして用いられる丁子や、のど飴でおなじみの南天実もあるので、日常生活でも気をつけないといけません。
現在のところ、漢方薬は含有成分がすべて明らかになっているわけではないので、「うっかりドーピング」を防止するためにも、アスリートは使わない方がよいと指導すべきとされていますが、WADAが発表する禁止表を正しく読み解けば、漢方薬も適切に使用することができると思います。
正確な服薬指導ができるスポーツファーマシスト(※2)の養成も、薬学部にとって重要なミッションであると思います。
(※1)ベータ2作用薬:アドレナリン作動薬の一つ。気管支を拡張して呼吸を楽にしたり、心臓の鼓動を早くしたりする。普段からハードトレーニングをしているアスリートがベータ2作用薬を使用すると、心臓に余分な負荷がかかり、危険である。
(※2)スポーツファーマシスト:最新のアンチ・ドーピング規則に関する知識を有する薬剤師。(2019年10月3日)
https://www.google.co.jp/amp/s/otakei.otakuma.net/archives/2017011201.html/amp
ドラッグストアなどで売られる第2類医薬品のど飴に以前から禁止物質に指定される「エフェドリン」を含むものがあります。「エフェドリン」はマオウという生薬の成分として含まれ、気管支筋を弛緩させる作用や、交感神経興奮作用、解熱効果、抗炎症作用があります。
マオウ
龍角散に問い合わせてみたところマオウを含む該当商品は『龍角散ドロップ・ノドカクサンEH』とのこと。龍角散が製造しオールジャパンドラッグが販売するこの商品は第2類医薬品扱いとなっています。パッケージはオレンジ色の箱形。箱中央に大きく「龍角散ドロップ」と書かれているため見落としがちですが、箱表面の上下に「マオウエキス配合」「マオウ」と明記されているので、見分ける時のポイントにしてください。
ちなみに株式会社浅田飴の『固形浅田飴』(第2類医薬品)も同じマオウエキスを含むことから今騒動をうけ、改めて「禁止表国際基準の禁止物質に該当いたしますので、競技会ご参加の際はご注意くださいませ」とTwitter(@seki_koe_nodo)を通じ注意を呼びかけています。
浅田飴【公式】
@seki_koe_nodo
医薬品である「固形浅田飴」には有効成分としてマオウエキス、「浅田飴せきどめ」にはdl-メチルエフェドリン塩酸塩を含み、気管支を拡げ、せきを鎮める作用がございます。これらは禁止表国際基準の禁止物質に該当いたしますので、競技会ご参加の際はご注意くださいませ。
2,208 11:38 AM - Jan 11, 2017 Twitter Ads info and privacyhttps://www.meijo-u.ac.jp/sp/harbal_medicine/2019/063.html
■ここまで敏感になる「ドーピング検査」とは
特に大きな競技会では公正を保つためにドーピング検査が実施されており、過去にはバレーの全日本代表として選出された選手が肌荒れ用の塗り薬が原因でドーピング検査陽性となってしまい重い処分が課せられたことがありました。
ドーピング検査については「悪気がなかったから」でお咎めなしにされることはありません。治療上必要な薬がドーピング検査にひっかかってしまうようなものである場合はTUE(治療使用特例)を申請する必要があります。
■注目の物質「ヒゲナミン」
さて、注目の禁止物質であるヒゲナミンですが、漢方薬だけではなく栄養補助食品にも含まれていることは、報道でご存知の方も多いと思います。生薬である呉茱萸(ゴシュユ)、附子(ブシ)、細心(サイシン)、丁子(チョウジ)、南天(ナンテン)などに含まれていますが、中でも丁子の文字を見てゾッとした方は多いのではないでしょうか。
丁子とはクローブの和名であり、豚の角煮を始めとした肉料理やピクルス、チャイティー、カレーなど料理にパンチを効かせる存在としてもメジャーなスパイスです。また、独特な香りのあるガラムという煙草にも丁子が含まれています。
料理や煙草に丁子が含まれているからと言ってドーピング検査が陽性になるとは限りませんが、やはり不安だという声が多く挙がっています。
そこで編集部はJADA(日本アンチ・ドーピング機構)に問い合わせをしてみたところ「ドーピング禁止物質は、「世界アンチ・ドーピング規程禁止表国際基準」禁止物質は物質名で決められております」と定められる通りとの見解。今回話題となる「ヒゲナミン」はもちろん掲載されています。
▼世界アンチ・ドーピング規程禁止表国際基準
http://www.playtruejapan.org/wp/wp-content/uploads/2016/12/3d0fcdb70bcf45de26a66192cd2a7dd7-2.pdf
また、「栄養補助食品(サプリメント)は食品であるため含有成分が全て表示されているとは限りません。成分として禁止物質が表示されていないサプリメント製品や食品を摂取する場合は、アスリート自身の責任において今一度ご注意ください。」とのことでした。サプリメントについては成分が全て記載されない場合もあるそうなので、こちらは特に注意が必要。
■ヒゲナミンは元々禁止物質
ちなみにヒゲナミンについては多くの報道で「2017年1月から禁止された」とされていますが、JADAによると「新たに禁止物質として追加されたものではなく、従来から禁止されていましたが、2017年から例(非選択的ベータ2作用薬)として明記されたもの」だそうです。ということは、アスリートに関わる人たちは丁子を使用する料理については既に敏感になっています。
スポーツに関わり大きな競技会へ出場する可能性がある人は、自分が口にしたり塗ったりするものについては一般より知識と注意が必要なようですね。(大路実歩子)
https://www.hmaj.com/erudition.html
漢方薬と民間薬の違い
ドクダミなど植物をそのままお茶などにして薬効を期待して飲む場合がありますが、これは民間薬であり、漢方薬とは異なります。漢方薬は中国の古典に構成される生薬の配合比率や煎じ方など、理論に基づいた治療法が確立されており、「葛根湯」「八味地黄丸」などの処方名が決まっています。民間薬は親から子、子から孫に伝えられた伝承薬であり、ほとんどが一種類の生薬からなり、用法用量も詳細には決まっておらず、植物名で呼ばれています。
漢方薬でもドーピング検査にかかる
オリンピックなどではスポーツ選手が競技成績を上げるため、ある種の薬物を使うことを禁止しています。禁止された薬物を服用したかどうかの検査をドーピング検査といいます。漢方薬の構成成分の中にも、この禁止された成分を含む生薬があります。かつて、風邪薬として麻黄(マオウ)の配合された葛根湯を服用した選手が、ドーピングにかかり出場できないことがありました。麻黄の主成分がエフェドリンであったことが原因ですが、その他にも茶葉(チャヨウ)のカフェイン、呉茱萸(ゴシュユ)のシネフィリンなどが該当します。
生薬は植物を乾燥させただけじゃない
生薬は植物や鉱物などの天然物を、薬品として用いやすくするために、様々な加工をします。これを修治(シュウジ、シュウチ)あるいは炮製(ホウセイ)といいます。より効果を高めるためや毒性を減らすため、さらには異なった効果を引き出すためなど、それぞれの生薬により修治の目的は異なります。水につける、酒で蒸す、火であぶる、炒めるなどの方法のほかに、茎の節を取る、根のひげ根を取るなどの加工をする生薬もあります。
ここから過去日記
「明日は天皇杯。アウェイ大分戦、功治は前泊。秋口からずっと続けて来たことがある。マリノスでは前泊の夜、何人かの選手がエミュウで全身マッサージをして貰っているのだが、トレーナーのトコさんにお願いをし、独自にブレンドした精油をエミュウに混ぜてマッサージしていただいている。感謝。ブレンドの内容はその日のコンディションによって変える。先週、先々週は肉離れ一歩手前というこで、筋肉系に良いとされるヤロウやマジョラムをベースに鎮痛効果の高いものを。プラスでブレンドする精油は主に精神要因。抗うつ、高揚作用のあるもの。今回はぐったりとした疲れに効果的なメリッサなんかを入れた。」
「ここのところ寒さが影響してか功治の腰の調子が良くない。名古屋戦の前あたりからトレーナーに「走り方がやけに後ろに反り返った感じになっているけれど、腰大丈夫?」と聞かれていたそう。その度に「大丈夫です」と答えていたらしい。本人も、今思い起こしてみるとあれが前兆だったのかもしれないと話す。腰の痛みから足底筋膜炎、腿裏の張りなど、下半身全体に悪影響が出ており、体のバランスが崩れている。チームでのマッサージや鍼、氷風呂、高圧酸素治療等、ありとあらゆるものでケアし、家でも独自ブレンドでマッサージを施しているが、なかなか良くならない。ローズマリーやマージョラム他、炎症部分には鎮静効果の高いラベンダーやカモミールジャーマンのカマズレン(カマズレンはフレッシュには無し。花を必ず乾燥させてから水蒸気蒸留法)を利用。キャリアオイルはスイートアーモンドだったが筋肉系に良いとされるアルニカや神経系に効果のあるセントジョワンズワートでも試してみたい。」
2007/05/20
夫の試合前に、恵比寿でスポーツドーピング講演を拝聴した。(参考資料にガナさんの記事が添付してあった)尚、使用する40種類の精油にはドーピング禁止成分は一切含まれていないとのデータ結果をいただいた。安堵。今後は精油を使ったケアをもっと積極的にしていきたい。また、スポーツアロマトレーナー協会の神崎貴子代表からは、来年度から協会で売り出す予定の試作品をいただけたので、腰や現在痛めている靭帯、シンスプリントや関節炎などの痛みの酷い部位に塗布。経過を見て夫から症例をとりたい。使用されているウィンターグリーンにはサリチル酸メチルという非常に鎮痛効果の高い成分が98%も含まれている。アテネ、アトランタ、シドニーオリンピックなどでも大活躍した精油だとか。(サリチル酸メチルはドーピング禁止薬物ではないとのこと。※2007年のデータ。これから使用する場合は必ず専門機関へ確認)実技を本格的に習得できれば毎日のケアを栄養からコンディショニングに至るまでトータルサポートが出来る。この勉学に真剣に取り組んでいくことを決断した。
2007/06/06
講習会のテキストが届いたので、今日から勉強を再開。今回の勉強はAEAJで学んだ精油学総論、基材論、解剖生理学、栄養学、健康学、タッチング論、ボランティア論に加え、スポーツアロマ概論やコンディショニング理論、マッサージ技術も入る。骨格筋など、体のそれぞれの部位の名称は開始前に覚えておこう。
2007/06/28
ハードな練習をした後はどうしても腰が張ってしまうそうだ。沐浴の後直ぐに施術に入る。腰の炎症にはサリチル酸メチルを含むバーチやウィンターグリーンなどの強めの精油が有効。+ローズマリーやジュニパーで血液を促し、痛みを緩和させる。今日は腰以外にも、脹脛の筋肉の張りと、シンスプリントの痛みも訴えていた。ラベンダーやマージョラム等のどちらかと言えば「緩める」ブレンドの精油をもう1種類作る。いずれも濃度は5~8%と高く、取り扱いには充分に注意。スポーツアロマではこれが主流。スポーツアロマは筋肉疲労を緩和させながら嗅覚からの香りが精神的疲労も拭い去る、メンタル、フィジカルの両面にダブルアプローチできるのが素晴らしさだ。明日の朝は、ほんの少しでも楽になっていますように。
2007年7月24日
講習4日目。背面の復習と下肢前面のアプローチ、解剖学や関連法規などを学ぶ。授業も終わりに近づいた頃、プレミナセラピストスクールの受付に、1本の電話が。8月に行われる世界陸上合宿に、何と、日本スポーツアロマトレーナー協会が選ばれたという朗報だった。スクールの代表である神埼貴子先生のアテネ、シドニーでの功績が評価されたことがきっかけだ。神崎先生は指導力もさることながら、とてつもなく謙虚で礼儀正しい。優しく、美しく、生徒の憧れの的。私もいつか神崎先生のようになりたい!
しかも、神崎先生のスクールの生徒は特別に、先生と一緒に現地に入って世界陸上合宿に参加が出来るとのこと。世界のトップアスリートのスポーツアロママッサージに携わることが出来ると聴き、その場にいた生徒全員ハイタッチしながら大騒ぎ。
世界陸上の1週間前の合宿から現地入りが出来るそうで「可能であれば選手の皆さんと一緒に、1週間丸亀で合宿を!時間の都合がつかなくても、日帰りでも、1日だけでも良いから、是非参加して現場の雰囲気を味わってください!」と神崎先生。
こんな機会は生涯無いだろうし、私はまだ始めたばかりで、選手の体に触れることは出来ないかもしれないけれど、是非参加させていただきたい!と強く願っていた。
早速、家に帰って功治に相談。ところが
「俺はお前を世界陸上に参加させる為に学校に行かせたんじゃない!」
と激怒。
夫が懸念しているのは自分(夫)へのサポートが疎かになることだけではなく、アスリートの身体は繊細。コンディショニングが運命を左右する。私のようなまだ、技術も未熟過ぎるトレーナーが、世界陸上に出場するようなトップアスリートの体になど触るべきではない!と、思いっきり叱られてしまったのだ。
確かにその通りだ。分かってはいるのだけど、こんな機会きっと一生に一度しかない。1日見学だけでもいいから、帯同させていただけたらなあ…( ;∀;)
2007年8月13日
22日から参加する世界陸上合宿の詳細が出た。選手団サポート規則に目を通したところ、当然ながら警備体制が信じられない程に厳しい。活動時はIDと協会ユニフォームを着用。選手の肖像権の関係上個人のデジカメの持ち込み禁止や、選手との食事も一切禁止とのことで、誓約書を書くことに。
タイミングと運だけで今回、世界陸上という素晴らしい大会に参加させて貰えるかもしれないチャンスがやってきた。マリノスのトレーナーのトコさんからは「こうやって話がまわる時というのは、それが自分に合っているお知らせでもある。高いハードルだろうけれど頑張っておいで!」と有り難いエールをいただいた。
その後、功治と何度も話し合った結果、如何なる理由があってもJリーグの試合には絶対に影響を及ばさないこと。手を抜いたり、こちら(夫)のサポートを疎かにすることは何があっても許さないからと念を押される。
8月22日に前泊させて貰い、23日だけ何とか活動が出来ることになった!この日はアテネ五輪金メダリスト4名を含む北欧代表選手の直前調整合宿。私が行う手技は恐らく背面と下肢前面だけ。実践に入らない時も、休憩はせず(連泊する他のトレーナーの方々とは違い1日しか現場に居られない為)先輩方のブレンドや手技を目で見て学び、たくさんのことを吸収して神奈川に帰って来たい。
2007年8月21日
いよいよ明日から、世界陸上欧州選手代表香川合宿に向かう。スポーツアロマトレーナー™25名、一般公募の中から選ばれた13名、延べ38名が香川丸亀合宿地に入る。競技場内に設営されたマッサージブースにはベット7台が並び、スポーツアロママッサージを始め各スタッフが持ち得るライセンスにより、鍼灸治療、スポーツアロママッサージ、運動療法などを組み合わせる。現場リーダーの指示に従い、徹底したケアを施していく。日本人選手も数名、香川で合宿を組んでいるとか。精一杯頑張って来たい。
2007年8月22日。
何と!自身のスポーツアロマトレーナーとしての出発日が、功治の日本代表戦と重なってしまった!私は今、香川県丸亀市にいる。本来であれば、丸亀到着と同時に競技場に向かい、選手のケアに入る予定だった。しかし、柏木トレーナー(リーダー)が「今日はもういいから。ホテルに残り、旦那さんの試合を見てあげなさい」と言ってくださった。申し訳ない。
ホテルに到着した時、試合は既に始まっていた。功治は出場していない。静観。
ここ1週間近く続いたハードスケジュールと移動、勉強、猛烈な寝不足の為、夫が張り詰めて頑張っているのにも関わらず、睡魔に襲われ始めた。私、本当最低だ。
始めはテレビの真ん前を陣取っていたものの、とにかくヘトヘトに疲れ果てていた。ベッドに腰をかけ、しまいに横たわった。気づけば、テレビの中の人が、誰が誰だか確認できない位置にまで下がってしまっていた。
真っ暗闇のホテルの部屋の中で電気をつけるのも忘れ、1人で解説、実況の方の声に耳を傾けていた。
突然テレビから、ワァ!という歓声が聴こえてようやく意識が戻った。
「あ!!!誰かゴールした!!!」
と思って、ガバっとベッドから起き上がり、テレビの見える位置にまで走っていくと何とテレビに写し出されていたのは・・・功治だ!!!!!!
この映像を見た瞬間
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
と悲鳴を上げたと同時に、持っていた携帯をあまりに驚き過ぎて放り投げてしまった。
携帯は、ものの見事に漫画のように宙に舞いながら飛んで行った。
しかも!その携帯が、ひっきりなしにブルブルと震え出した為
「壊れた!!!!」
と思い、急いで拾い上げたところ、その一瞬で30件以上のメールが受信されていた!!!
凄い!!!凄すぎる!!!
肝心のゴールの瞬間を見られていなかった為、感動なんてものは何もなく、ただただビックリ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
携帯をぶん投げたり、ホテル内で悲鳴をあげたり、誰かに見られたら完全に変体だ。
一生見ることが出来ないだろうと思っていたA代表での初ゴールが見られて(正確にはリプレイで見た)本当に心臓が止まるかと思った。
「メモリアル男だ!山瀬 弾丸900号」
【日本2-0カメルーン】
10番を背負ったMF山瀬が、豪快なミドルシュートで代表Aマッチ通算900号のメモリアル弾を決めた。後半44分、MF中村憲の右CKが相手DFに当たり、山瀬の前に落ちてきた。ダイレクトで右足を振る。約20メートルのシュートはゴールネットに突き刺さった。 2―0と試合を決定づけた貴重な追加点。「いいところに来たから蹴っただけ」と話したが、03年に浦和の通算500号、今年は横浜で800号を決めたメモリアル男。「そういうのありますね」と3度目の節目ゴールに照れ笑いを浮かべた。
今季、横浜で10得点を挙げ、大久保に次ぐ日本人2位のゴールを記録。「今年はゴールに向かって仕掛けることをテーマにしている」という。後半5分からトップ下を務めた出来には「ゴールは1秒、2秒でしかない。大事なのは40分通して」と満足していない。だが、ゴールに向かってきた姿勢が、昨年8月のトリニダード・トバゴ戦以来の代表2戦目で、初ゴールにつながった。
2007年8月23日
香川県立丸亀競技場。私は一夜にして「ラッキーガール」扱いとなっていた。
早朝からボディケアセンターがスタート。始めは選手が入ってくるだけで震えるほど緊張。しかし、そんなことは御構いも無しに次々と選手がやって来る。覚悟を決めて施術に入った。
1人目の選手は足の甲を重点的にやって欲しいとのこと。2名がかりでマッサージした。ハイジャンの選手だったので、出来るだけオイルは足の裏につかないように。 施術後は滑らないようしっかりとふき取り。試合前に万が一滑って事故に繋がったら大変なことになってしまう。とにかくオイルの処理を入念にした。
選手だけでなく、トレーナーやコーチングスタッフも、スポーツアロママッサージを受けにボディーケアセンターに来てくださった。
前日の代表戦後、先輩に教わり、英会話の勉強をしたお陰で、思っていたよりスムーズにコミュニケーションをとることが出来た。緊張したけれど、今では安堵感が強い。
選手の体を実際に触り、特に印象に残っていることは、女子ハイジャンの選手は筋肉が細くしなやか。また、男子ハードルや短距離の選手は、上半身は功治よりもひとまわりも、ふたまわりも大きく、大腿の辺りまではさほど変わらないが、下腿が異様に細いと感じた。筋肉が、日本人に比べて弾力があるというか、バネのような感触があるのがかなりの衝撃だった。
海外のスポーツ選手はアロマテラピーをコンディショニングに利用する方が多い。中でも好まれるのはやはり、身近にある柑橘系の香りだ。
私は今回、神崎先生に教えていただいてからずっとお気に入りだったフラゴニア精油を独自で持参。ブレンドに加えた。選手の反応も上々。他のトレーナーの方からは頗る好評だった。この精油は今大注目だそう。日本ではなかなか手に入らない。スポーツ選手のメンタルケアに抜群の効果をもたらすのではと言われている。
今回の合宿は色々な意味で、大きな収穫、成長の場となった。
ボディケアセンターに来てくださった選手の皆さんが大活躍してくれることを切に願いながら、競技場を後にした。
【猛暑の中、調整順調-07世界陸上香川合宿】
陸上の世界選手権大阪大会(25日―9月2日・長居陸上競技場)に合わせ、14日から始まった香川県丸亀市内での事前合宿。デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの北欧4カ国を中心に約150人の選手、コーチらが来県、連日の猛暑の中で黙々と調整に励んでいる。来県しているのは、女子棒高跳びで世界記録を持つイシンバエワ(ロシア)、同七種競技で5年間無敗のクリュフト(スウェーデン)、男子やり投げアテネ五輪金メダリストのトルキルドセン(ノルウェー)ら優勝候補がめじろ押し。練習場となる県立丸亀競技場には、多くの陸上ファンが詰め掛け、練習から格の違いを見せるトップアスリートのパフォーマンスに驚きの声を上げた。選手たちは練習の合間を縫って、名物のうどんを味わったり、お茶の接待を受けたり、日本文化を体験。地元も歓迎ムードに包まれ、積極的に交流を深めている。
選手の評判を集めているのは日本スポーツアロマ協会のトレーナーによるマッサージ。毎日の練習でたまる疲労の解消に一役買っている
http://www.shikoku-np.co.jp/sports/local/article.aspx?id=20070822000111
○以下は当時のメモより
真正ラベンダー
酢酸リナリルが多ければ多いほど鎮静効果が高い。(35%は欲しい)試合前日の気持ちの高ぶりを抑えてくれる心身に万能な代表的精油。クラリセージ、メリッサ、ジャスミンと合わせて夫との相性が非常に良い。不安症、不眠症、神経疲労等に効果的。香りに好みが分かれる精油なので、苦手な香りなら避けた方が良い。
スィートマージョラム
モノテルペンアルコール類を50%以上含む為に、鎮静作用に優れ作用は真正ラベンダーと似ています。血圧降下作用(血管拡張作用)があり、スポーツアロマトレーナーの間ではよく、心も体もゆるゆるになりたい時に使う精油と言われている。我が家では主に筋肉の張りに用いている。試合前日の神経の高ぶり、ストレス緩和、不眠症等。バランスに優れた精油です。
クラリセージ
リナリルアセテート他エステル類を70%も含む非常に鎮静効果の高い精油。香りが独特で濃厚なので使用する場合はほんの1、2滴でOK。試合前の緊張や焦り、パニックや疲労、不安症に効果的。幸福感を味わえる精油。筋肉弛緩作用が強い。夫との相性が非常に良い。高濃度では集中力が減退。試合当日はNG精油。
ベルガモット
個人的にとてもオススメな精油(柑橘系の施術、光毒性のあるものにはベルガプテンフリーを使用)柑橘系で苦手な方があまり居ない。アールグレイの香り付けにも使われており気分が落ちている人ほどこの香りを欲すると言われる。鬱にも効果的。(ネロリ、メリッサも精神的落ち込みには非常に効果的)気分をぐんと上げてくれるストレス解消の精油。スィートマージョラムとの相性が○。試合前日に。
スィートオレンジ
柑橘系なので誰からも好まれる。リモネンを80%以上含み、リラックス&リフレッシュ効果の高い精油。風邪、インフルエンザ対策にもなり、不眠等にも効果的。真正ラベンダー、ジュニパーとの相性が抜群。緊張やストレスを拭い去り、人と人とのバリアを緩和させてくれるあたたかみのある精油。試合前日に。
カモミールローマン
アンゲリカ酸エステル等のエステル類を70%以上含む非常に鎮静効果の高い精油。甘いりんごのような香り。スィートオレンジとの相性が良い。胃腸の不調や、消炎等、心に作用する効果の高い精油。試合前日に。
ローズマリー
つんとした香り。頭脳明晰作用があり、心に自信をつけさせてくれる。とにかく元気になりたい時に使う精油。試合前に。柑橘系との相性が抜群。山瀬家での試合日の朝の香りは、ローズマリー&レモンです。試合日に。
レモン
慣れ親しんだ柑橘系の香り。こちらも頭脳明晰作用が。緊張による頭痛や吐き気にも効果的で、リフレッシュ効果の高い精油。冷静を保ち、集中力をUPさせてくれます。全ての柑橘系の精油は抗菌作用に優れています。試合日に。
グレープフルーツ
こちらも慣れ親しんだ柑橘系の香り。モノテルペン類を98%も含み(レモンは87%)ヌートカトンはグレープフルーツ独特の香気成分で、神経を安定させ、積極性を増す香りと言われる。高揚効果が高く、不快感を吹き飛ばす性質なので、試合前日、試合日、どちらでも使用できます。
ジュニパー
私が個人的に好きな精油。お酒のジンの香り付けとして有名。頭脳明晰作用があり、不眠や神経衰弱、精神的疲労に効果が。血液やリンパの流れを良くする。スピリットとしては、浄化、解毒効果が非常に高い精油と言われ、サイプレス等とブレンドする事により森林浴と同等の効果がある。モノテルペン類を80%以上含む。試合前日でも、試合日でも。
その他、ユーカリやバジルにも頭脳明晰作用があり、集中力アップ効果が抜群。しかし香りが独特で、スポーツアロマトレーナー協会で選手からとったアンケートでは、これらの精油を嫌いな選手が非常に多かった。ちなみに、選手に好評だった試合直前ブレンドは、レモン&ローズマリー&スパイクラベンダーです。スパイクラベンダーは呼吸器にパワフルに作用すると言われています。
※2019年追記
ローズマリー
学名:Rosmarinus officinalis シソ科
抽出 水蒸気蒸留法
Rosmarinusは海の雫の意味
主要成分
精油【1,8-シネオール、カンファー、αピネン、ボルネオールなど】フェノール酸【ロスマリン酸、クロロゲン酸、カフェ酸】ジテルペン化合物【カルノソール、ロスマノール】ブラボノイド【ルテオリン】
※我が家でよく利用しているのはローズマリーカンファー
ハンガリーのエリザベス女王がローズマリーを処方した化粧水、ハンガリアンウオーターを使って若さと美しさを保ち、77歳の時にポーランドの国王から求婚されたエピソードが化粧水の処方と共に現在も残っているローズマリー。古代ギリシアの人々がローズマリーを献上したアポロンは、太陽神であり、医薬や音楽、詩、予言を司る神でした。
心身を強壮し、記憶力を高める。ハーブの中でもトップクラスの強力な抗酸化作用を持ち、我が家で最も使用してきたハーブです。和名はマンネンロウ(永遠の青年)。全身の血行を促進し、消化器系、神経系の機能を活性化。 「ブレイン・トニック」(脳の強壮剤)とも呼ばれ、勉強時、勝負時に抜群。
(ローズマリー精油を初めてご自身で用いる場合、高血圧の方、てんかんの持病のある方、妊娠中、授乳中、発熱時、乳幼児への使用には注意が必要です。お問い合わせフォームまたは個別メッセージなどでもお気軽にご相談ください)
アロマテラピー分野ではオキシド類の1,8-シネオール、ケトン類のカンファーなどが主要成分。樟脳のような強い香りで精神的な過労や、無気力時、記憶力を生かしたい集中力時に推奨。試合当日の芳香浴やスプレーなどに必ずブレンドで用いて来ました。
ローズマリーは頭脳明晰作用のある代表的精油。(鳥取大症例 海馬活性=ローズマリーカンファー)強力な抗酸化成分、ロスマソールやカルノソールをとりいれたい場合は、水に溶けにくい成分のため、我が家では葉を細かく砕いて直接料理へイン。花はサラダに用いています。
ローズマリーはコンディショニングでここぞという時に活用する鹿肉などのジビエ系調理にも使用。白ワインビネガーとジャガイモを合わせたローズマリー炒めも、夫から試合前に必ずリクエストがかかる大好物及び糖質補助食。
ピクルスや蜂蜜、オリーブ油、白ワインにつけ込んこんだり、使用方法は多種多様です。
それぞれの植物の抽出特性を知りたい場合、長島司先生著書・ビジュアルガイド植物成分と抽出法の化学〈目的の成分を効率よく抽出するための〉が非常に参考になります。
内容紹介
医薬品から民間療法まで幅広く利用される植物の有用性成分と目的成分を抽出するために最適な溶媒を、グラフや表でわかりやすく解説。
著者について
1971 明治大学農学部農学科卒業 1973 明治大学大学院農学研究科農産製造学専攻卒業 高砂香料入社 2008 同社退社 2011 セダーファーム代表 アロマ環境協会認定インストラクター、日本園芸協会認定 ハーブコーディネーター
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
長島/司
1971明治大学農学部農学科卒業。1973明治大学大学院農学研究科農産製造学専攻卒業。高砂香料入社。2008同社退社。2011セダーファーム代表。アロマ環境協会認定インストラクター、日本園芸協会認定ハーブコーディネーター、一般社団法人日本アロマ蒸留協会特別顧問、一般社団法人日本産天然精油連絡協議会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
◯レモン
学名 Citrus limon ミカン科
圧搾法で抽出
注意事項 光毒性、刺激強
主要成分 精油 モノテルペン炭化水素類
【リモネン、β-ピネンなど】
不安や混乱を取り除き、心身をリフレッシュさせて生命力を高める。物事への決断時、頭脳の明晰さを齎し免疫力を賦活させたい時に。我が家では集中力が必要な時、特に計算系の作業、事務作業などにペパーミントも一緒にブレンド使用。空間の消毒殺菌作用があり、掃除の際にもよく利用しています。
プリニウスの植物誌には果実が解毒剤として記されています。フランス人医師ジャンバルネは、気化したレモン精油の殺菌能力を指摘。
同じ柑橘系で小春日の太陽や暖炉のようなあたたかなイメージを与えてくれるオレンジ・スイートは、沈んだ心をうきうきと快活にさせたり、人と人との間のバリアーを穏やかに緩めるとされ、我が家では例えば、初めての友人が自宅に遊びに来る時などにオレンジ・スイートを芳香浴にブレンド使用しています。