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山瀬理恵子のアス飯®︎日記

石窯日記2017 

2017/01/07 23:50 朝ごはん 昼ごはん 晩ごはん パン 作りおき お酒・おつまみ テーブルウェア キッチングッズ イベント 旅行・お出かけ 趣味 くらし 家族 健康


 


これは従兄弟の家でもあり、私の母の実家のお話です( ◠‿◠ )






私の実家から従兄弟の家までは、車で20分くらいでしょうか?







この小屋は写真に写っている従兄弟が作りました。






自作した石窯を濡らさない為、冬でも凍えないように楽しめるビニールハウス風にしたそう。 






父や亡くなった祖父もそうでしたが、田舎の山暮らし、農家特有かは分かりませんが、昔から、業者の方に何かを頼むという概念があまりなかったように思います。無いものがあれば自分で作る。地域の皆さんと協力して行う。収穫期も人手が必要な時は、家族だけでなく近所の人と力を貸し合います。 



建物を建てたり、修理したり、取り壊し作業や庭の手入れ、盆栽なども家族(力仕事は主に男の人)で行いました。



食べものは畑で今実っている旬を食し、作物のとれない冬は、むろから野菜をあげ、漬けておいたり、発酵させたものを食す生活。 魚は、近隣の漁師さんと物々交換でいただいたりもします。



従兄弟の作った小屋の中には、山幸の木が育っていました。山幸は「山葡萄」×「清見」の交配種。池田町で苗を買って育て、その上から屋根をかけたそう。縁には乾燥とうもろこしが飾られ、ローズマリーなどのハーブ類も立派に育っていました。 



天井にも様々な工夫が。 石窯は耐火レンガと耐火セメント系で作っており、雨水に濡れると脆くなり壊れてしまうことが。 せっかく屋根を作るならと少し自由に出来る空間(ピザを焼いたり食べたり、薪や道具を置ける場所)ということでこのサイズに。 ハウスや温室の横にビニールを貼って、雪の吹込みを防いで。強風が吹き込む箇所を随時補修し、現在形にしたそう。 


太陽が見えている間の小屋は体感で15~20℃くらい。(夜になるともの凄く冷えます) 屋根が半分透明なのは、日光を取り込んで育てているハーブ類(ローズマリー・ローリエ・バイマックルー、ベビーリーフなど)のため。


屋根は雪が自然に落ちていく角度で設計されているそうですが、雪下ろしはするとか。 石窯の上は特に雪が多く降っても耐えられるように天井を合板などで補強。(プラスチックが熱で溶けないようにといった意味もあります) 補修修繕しながら屋根の更なる完成を目指しているところだそうです。


扉には、以前飼っていた馬の蹄鉄が。 ホットワインを沸かしたり珈琲を飲む為のコンロもありました。 


後ろにぶらさがっている青い網かご(干し野菜を作る網)には薬草が入っています。 




下に敷いてあるのは枕木。 昔貰ったものだそうで、物を置く台にしか使っておらず有効利用を。ウッドデッキも考えたそうですが、石窯の重さ(計算上では500kgくらいになる)を考慮しガッシリした枕木を採用したそう。

 

従兄弟の、あちこちで目映く光るセンスに、私もそうですが、夫も、地元で幼稚園の先生をしている古くからの友人も到着時から感嘆の声をあげ大興奮です! 


※プチ取材してみました!以下からは従兄弟の生声です。 



「我が家は薪ストーブが主暖房です。毎年薪割りをしています。 薪を割るのは「薪割り斧」。 畑の周りに生えている樹を伐ったり(日差しをよくしたりするための間伐。畑周りの木は防風林の役目もあるので切り過ぎないようにバランスを見ながら) 積雪などで倒れた樹を、畑の作業のために片付けるために伐ります。チェーンソーで切り出した木は薪の長さにカットし、最後は薪割り斧でストーブに入れるサイズに。 割った薪は積み上げて、このまま1年半保存。自然乾燥させます。(しっかり乾燥させないときちんと燃えない) 今年も2月に薪割りしますが、それは再来年使う薪を用意するということを意味します。 ※毎年伐ってもうちで薪ストーブに使う量くらいしか切れないのでなくなりません。(自給自足)伐るより早く樹が大きくなります。 もともと、石窯はこの薪(薪ストーブ)があるので出来ることをしたいなと思い、計画しました。ストーブと違って石窯なら年中薪を使えますから。 本当はミズナラなどドングリの生る木が薪材としては火力も火持ちもよいのですが、我が家は「畑の周りの環境整備」で出てくる樹なので種類は選べません。 ミズナラの樹はキノコを生やすように使います。 今回の石窯で使った薪は、トドマツ・カラマツ・ヤナギ・白樺・アカダモ。 松系は油っ気があるので火力は強いけれど一気に燃えて火持ちが良くないなという印象です」





「正確にはピザ窯ではなく、石窯となります。




普通にイメージするピザ窯がドーム型なのに対し、今回作ったのは連続燃焼式の2層式石窯と言います。 違いは、ドーム型ピザ窯は生地を「焼き床」と薪を燃やす「火床」が一緒の空間にある(火の見えてるところでピザって焼いてるイメージありますよね)ので、窯内の予熱・蓄熱時間が短くすむの=準備にかかる時間が短くなる。また、薪の代わりに炭火を使っても焼くことが出来る。 2層式の石窯は焼き床(2階)と火床(1階)が分かれているので焼き床が予熱されるのに少し時間がかかる。 ※今回だと点火してから蓄熱完了まで2時間程度。 ただ、連続燃焼式というだけあって薪を追加で燃やすことで長時間の温度調節が可能です。 生地を焼く作業も焼き床に火が無いのでやりやすい。連続燃焼式はパン焼きの窯でイメージすると良いと思います。 一番最初に火入れした時は、計測器が無かったので 「いま何度なの?」 状態でした。 温度計を買って、焼床のどこが適温か?を計測して焼いています。 今回の温度設定は350℃以上、出来れば400℃を目指して薪を燃焼させて蓄熱させました。 焼く時に計って400℃以上を確認してから生地入れました。 勿論ピーク温度から薪の燃焼時間割り出して火入れ時間を決めていたので「何時にくる?」ってしつこく姉さん(私のことです。姉さんと呼ばれています)に確認したわけですよ。笑 今回の窯の温度だと、ピザ1枚が1分半くらいで焼き上がります。早かったでしょ?」




※本当にびっくりするくらいにあっという間に焼き上がっていました!




「ホットワインです。 赤ワイン+砂糖+ローリエ+クローブ+レモン+みかん+シナモンスティック。 レシピ自体はクックパッドさんにも載ってるようなごく一般的なものです。 赤ワインはコンビニ系。 ポイントは、自分で育てているフレッシュローリエを使ったところでしょうか。 オレンジの代わりに、家にあったみかんを代用。 (このみかんはお蕎麦のおろしにはいってたもの) 寒い冬だからホットワインも美味しいですよね」 





「鹿肉です。狩猟免許を持つハンターさんとご一緒し、作業をお願いしました。ロースとモモ肉です。水で血抜きして冷凍しました。ロースは解凍し、ローストビーフを作る要領で火を通しそのまま薄切りで。普通の鹿肉と違ってメスの若鹿なので、臭みも少なく食べやすかったと思います。もも肉は、ラグーソース。ロースより味が香りも強いからトマトソースと合わせて臭み消し+味の強さを出す感じ。素材が素晴らしいし、手をかけないで出来そうだったのでこのメニューにしてみました。右はジャガイモと長芋のミルクグラタン風。ホウレンソウ入りです。名前の通り、ジャガイモと長いものスライス、ホウレンソウを牛乳+コンソメで煮てチーズかけてオーブンで焼いたもの。ホワイトソースよりあっさりしているので、時々やります。」



「ピザ生地は2種類作りました。一つは低温長時間発酵のいわゆるナポリ風のピザ生地。もっちり目の生地。冷蔵温度で20時間以上寝かせるので、自分が食べるようにはなかなか作れない(作りたくない)生地でした。この生地は普通の生地より焼き上がりが早いそう。(確かにそうでした)写真はタルトフランベと言います。フランスのアルザス地方で食べられている四角いピザを想像してください。生地は常温醗酵させるクリスピータイプ。粉は道産の「ゆめちから」「春よ恋」、薄力粉をブレンドしました。チーズの代わりにフレッシュチーズを本来は使うそうですが、代用で水切りヨーグルトOKとなっていたので、一晩水切りしたヨーグルトを使ってみました。その上に、玉ねぎのじっくり炒めたものと細かく刻んだベーコンをのせて焼き上げ。実は初めて食べているので何が正解かわかっていなかった料理。なるほど、こんな仕上がりかと作った本人が思っていたことは内緒です。笑」



「ナポリ風生地の粉。自家栽培(これは本当に自分用に作りました)したキタノカオリという小麦を地元で製粉しておいたもの。色が少し黄色みがかっています。手捏ねして、20時間ほど冷蔵発酵。冬は涼しいところを探せば冷蔵庫なみの温度なので、そこでゆっくりと。自家栽培のシシリアンルージュというミニトマトを秋の終わりにトマトソースに仕上げたもの。旨味と甘味があります。具はシンプルに、トマトソースとチーズです。バジルは現在室内で栽培中。芽は出ていたけどさすがに葉っぱは間に合いませんでした。残念です。」



こちらの写真は、自作の石窯で焼くパン用の小麦を昔の機械で収穫し、ハウスで稲架掛け(はさがけ)にした写真。今年で4回めの稲架掛けだそう


※稲木(いなぎ、いなき、いのき)は、イネなどの穀物や野菜を刈り取った後に束ねて天日に干せるように、木材や竹などで柱を作り地上から干す材料が地面につかない程度の高さに横木を何本か掛けて作ったもの。地方によって稲掛け(いねかけ、いなかけ)、稲機(いなばた)、稲架(はさ、はざ、はせ、はぜ、はで)など異称も多い。




※このスコップみたいなものも手作りしたそう! もうここまで来ると何でも屋さんです!



夫がカットしていました!丸太を台にしています。



家族や旧友と共に、従兄弟の創り上げた空間を余すことなく丁寧に食します。


十勝の厳しい寒さに耐える広大な原野とは対照的な、あまりに優しく穏やかな時間。


全身の力を抜いて、フワフワと浮かぶように委ねるのです。


悩みごとなど吹っ飛ぶ感じ。


全てが、ちっぽけに思えてくるような。



「豆とキノコのオーブン焼きです。 豆は、家庭菜園で採れた白花豆・紫花豆・虎豆・くり豆・福白金時など。水で戻した後、下煮でにんにくやローリエ、人参、セロリなどと一緒に煮て風味付けしました。 オーブン焼きなどで使ったパン粉は自家栽培小麦粉+豆乳(自家製)のパンで作った生パン粉。 オーブン焼きなのでそういうのがいいかなと思いました」



「鹿肉ラグー&トマトソースです。鹿肉は粗挽きにしてトマト缶で煮込んだもの。ラグーソースには赤ワインを加えていますが、ホットワインで使った赤ワインはこのあまり分です。。薄めに生地に広げてチーズをかけバジルとパセリをそっとかけました」



「オニオングラタンスープです。 下ごしらえが、一番大変(焦がさないようにじっくり炒めるのが)だった料理です。 グラタンポットパイとどちらを作ろうか最後まで悩んだ料理でもあります。 結果ミルクグラタンを作ったのでグラタンポットパイはやめました。野菜は、基本的に貰い物、ご近所さん、親戚からのいただきものです。農家って感じが自分で作っていても思いました」


※1番大変だったという従兄弟の料理にも関わらず、話に盛り上がり過ぎて1枚も写真が無かったという大失態!笑 代わりと言ってはなんですが、ラグーソースに感心する私の写真を掲載します。笑 飾ってある袋は十勝を代表する六花亭さんのもの。従兄弟の弟夫妻が、六花亭さんでお菓子作りをしています。



「海老の塩釜焼きです。オーブン料理といえば、一度はやってみたいコレ。塩と卵白を混ぜたもので具材を覆ってじっくり石窯で熱を加えて蒸し焼きにする。高温はいらないので窯の入り口付近に突っ込んで30分加熱しました。焼き上がりがよく分からなかったけれど、意外と美味しかったですよね。」



まるで山の麓に佇む銀世界のレストラン!心憎い演出です!素晴らしい!


「帆立です。 貝殻付きの炙り焼き。 何も言うことはありません。ただただ美味しい。 オホーツク地方に住む方と自家製羊羹との交換で届いた帆立。 あと10日来るのが早かったら、姉さんが好きな牡蠣祭りもできたよ。 田舎には物々交換があります。(夢があるよね)」



「焼きリンゴです。 りんごの芯くりぬいてバターと砂糖を。ホイルでくるんで焼いたもの。 これは失敗だったような。 紅玉とか酸の強いりんごを使うべきでした。 デザートでガトーショコラを焼こうかなと準備していただけに、両方作ればよかったと思いました」 




「エスプレッソです。(Coffee Maker)マキネッタという直火式エスプレッソ。家庭用エスプレッソマシンもあるのですが、今回は石窯の前でってことで、直火式エスプレッソにさせていただきました。コーヒー豆は市販品。中の粉は、焙煎した豆だけ買ってエスプレッソ用の粉ひき機で挽いたもの。香り飛んじゃうからね。本当はミルクを泡だててカプチーノにしようかと思っていたんだけど、当日ころっと忘れていました。ごめんね。」





従兄弟の家に来る前まで、正直、こんなにも凄いと思っていませんでした。 石窯で焼けるものは「ピザ」のみで、大きな1枚を、皆で切り分けながら食べるのだと思い込んでいました。それで充分だと思っていました。 


ところが、ピザ1つとってみても、何種類も焼いて出してくれます。


自家製トマトソース。 これまで味わったことの無い手作り感とフレッシュさを感じ、これをベースにしているので、何枚でも食べられる軽快さがありました。


初めて作ったというタルトフランベは、言葉にならない程の衝撃。水切りしたヨーグルトに、じっくり炒めた玉ねぎとベーコン。ここに生地が合わさるだけで、こんなにも美味しくなるのかと。素晴らしい合わせ、何かのレシピに活用したいと直ぐに思いました。濃厚なのに後味さっぱり。絶妙なのです。


鹿肉、豆ときのこのオーブン焼き、海老の塩釜焼きや、じゃがいもと長いものミルクグラタン、オニオングラタンスープ、帆立、焼きリンゴまで出て来るフルコース。


スパイスや柑橘を用いたホットワイン、エスプレッソと、最後の細部までです。



夫がしきりに 「みつるくん(従兄弟)とお前の料理、やっぱり凄く似てる!」 と言ってくれていたのですが、実際に私自身がいただいてみて、感動と同時に完敗だと思いました。


ハーブやスパイス、柑橘をふんだんに使う為、味の系統は似ているかもしれませんが、従兄弟の方がずっとずっと繊細で、おもてなしをする上での配慮と、味や美にも特化。それでいて、全ての料理が「優しさ」にくるまれているのです。 「想い」や「愛情」のようなものをひしひしと感じ、食べていて思わず涙が出そうになりました。 想いの込もったものは、遅かれ早かれ必ず伝わる時が来るのだと思います。



故郷の温もり。 



いつ来ても変わらない場所。



みつる!えみこさん!あきらさん!



いっぱいいっぱい、どうもありがとう! !



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