早春を告げる啓翁桜がリビングの片隅で花びらを落とし、初々しい若葉が芽吹いていく朝。
一昨日投稿した浦幌町の星空、ロングバージョンを、2014年、汗の滴る夏に京都新聞掲載となったコラムと合わせてみました。
アス飯の書籍化が決定した時、2014年4月から2017年までの3年間という長期連載となった為、全て纏めてしまうとページ数が膨大な量に。よって、レシピと一緒に京都新聞に掲載していただいていたコラムを40本以上落とさなければならなくなりました。実際に出来上がった書籍を手にとった京都新聞愛読者の方から「好きなコラムが半分近く抜け落ちていた」と、ご指摘を受けたこともあります。
コラムの選抜に関しては、新たに集まった外部の企画・構成ライター、また出版社の方に、第三者のフラットな目線で、また読み物として成り立つよう、時系列やストーリー性を明確につけて抜粋していただきました。私が選んでしまうと、当人故、どうしても主観から逃れることが出来ません。見る人によって好みや価値観が異なるのは当然のこと。どの瞬間も全力で駆け抜けたかけがえのない時間には変わりなく、何が選ばれても良いと思っていたからです。
しかし、打ち合わせ時「どうしても削らなければいけないというなら、幼少期コラムだけは絶対入れて。絶対削らないで。」と最後まで粘ってくださったのが、アス飯の立ち上げから関わって来た、京都新聞社の校正担当デスクでした。
そもそもデスクとしては、レシピ本として特化するのではなく、紙面掲載4素材を1枠のベースとした、コラム主体型の書籍にしたかった。
その熱意のお陰で、アス飯レシピの中央部分に幼少期コラムの特別ページを作ることになり、掲載に至ります。
今となれば、私自身の基盤を作った部分、言わば生命の根元でもあるので、掲載していただいて本当に良かったと、改めて書籍制作スタッフの皆様に心より感謝する日々です。