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山瀬理恵子のアス飯®︎日記

「植物化学」野菜、果物、ハーブ、スパイス、アロマテラピー

2019/01/05 02:00 朝ごはん 昼ごはん 晩ごはん くらし 家族 健康


今からちょうど10年前、自由が丘にある学校(グリーンフラスコ研究所)に通い、本格的に取り組むことになった植物化学(植物療法)


学んでから今日まで意識して生活して来たことを、ざっくりですが纏めてみたいと思います。


結論から言うと、植物は栄養素だけではなく色素成分や芳香成分などの非栄養素も生合成しており、非栄養成分を上手に取り入れていくと、人間の生体防御機能や恒常性を維持するのに役立つことが立証されてきていることを学習。これらを10年間、日常生活にふんだんに取り入れて来ました。



炭水化物や脂質、タンパク質、核酸は生命維持に必須であるため一次代謝産物と呼びます。一方、植物は光合成の過程で一次代謝産物以外に様々な化学物質を生合成。これらを植物化学成分(フィトケミカルズ)と言い、一次代謝産物に対し二次代謝産物と呼ばれています。



二次代謝産物(フィトケミカルズ)は、テルペノイド(精油、サポニン、カロテノイドなど)芳香化合物(タンニン、クマリン、フラボノイドなど)また。アルカロイドを含みます。


二次代謝産物は分子構造の違いや物理・化学的性格の違いにより、アルカロイドやフラボノイド、苦味質や粘液質などいくつかのグループに分類することが出来ます。



機能は単一成分では決まらず、多様な成分の相乗効果により発現。複数の機能を合わせ持って働いています。



食品の3つの機能として、一次機能(栄養機能)は生命維持、二次機能(感覚機能)は味や香りなどの嗜好、三次機能(体調調節機能)に健康維持、疾病予防、老化抑制などがあります。



三次機能を有する成分は、フィトケミカルズや食物繊維といわれる非栄養成分のものが殆ど。食品の色、香り、味は、食欲にかかわる大切な要因となり二次機能に分類。


しかし近年、食品の色素成分、芳香成分、旨味成分がぐっと注目されるように。


芳香成分注目の再燃は鳥取大学の認知症臨床結果。アルツハイマー型認知症では始めに嗅覚機能が低下。異臭などに気づかなくなる場合も。症状が進むと脳で記憶を蓄える働きを持つ海馬が萎縮。鼻腔上部の粘膜にある嗅細胞が減り始め、嗅覚の信号が伝わりにくく。その後に、海馬細胞が障害を起こすプロセスを確認。これまで神経細胞は再生しないと言われて来たが、近年の研究から嗅神経と海馬には再生能力があることが分かり、特に再生能力が高い嗅神経を効果的に刺激することで、嗅神経細胞が再生。その刺激は海馬に伝わり海馬や周囲の神経細胞の働きが活性化される。鳥取大学では昼用(ローズマリーカンファー、レモン)、夜用(真正ラベンダー、スィートオレンジ)の組み合わせが使用されている。

参考文献:「大学におけるアロマテラピーの取り組みとその現状 鳥取大学」(aromatopia No.123(2014)) 

( 認知症予防に対する アロマセラピーの可能性 鳥取大学医学部保健学科生体制御学 助教谷口美也子 教授 浦上克哉/鳥取大学/2011.05.09 )

(  下記PDFより解説画面の抜粋)

http://www.cjrd.tottori-u.ac.jp/seeds_cgi/files/20110509135656_pdffile02.pdf


昔から言われるお弁当には「赤、緑、黄色」や、薬草やスパイスの香り、食べ物の苦味や酸味といった味が、フィトケミカルズそのもの。人間はこれらの機能性を五感を通して受け入れて生きています。




植物性食品のフィトケミカルズであるポリフェノールは、光合成によって作られる植物色素や苦味の成分。ベンゼン環上に、水酸基を2個以上持つ化合物の総称。カテキン、アントシアニン、イソフラボンなど数百種あると言われます。


また、カロテノイドは8個のイソプレンから構成。共役二重結合を数多く有します。カロテノイドはカロテン類(βカロテンやリコピンなど)とキサントフィル類(ルテイン、アスタキサンチンなど)に分けられます。




嗅覚以外の感覚は大脳新皮質から大脳辺縁系に伝えられますが、嗅覚刺激は大脳辺縁系に直行。快・不快や情動に大きな影響を及ぼします。


例・特殊な脳波を測定することにより香りの心理作用研究。強い鎮静を示したものはサンダルウッド、ベルガモット(東邦大学名誉教授 鳥居鎮夫)



味覚は嗅覚とも関連。口腔内の溶解物質は味覚受容器により大脳へ伝えられ、酸味は消化機能の亢進、苦味は肝機能の向上、甘味は精神的満足や活力、渋味は収斂や粘膜保護に。


触覚刺激となる皮膚の表皮は発生学的には脳や中枢神経と同じく外胚葉から形成。快い触覚刺激は生命力を回復。これがタッチング論へと展開。(嗅覚と触覚を用いたアロマテラピーマッサージ)



春夏秋冬、五感をフル活用。


栄養素、非栄養素。野菜、果物、スパイスやハーブ、嗅覚や触覚を揺さぶるアロマテラピーを用い、日常のあらゆる要素を円を描くようにしながらたくさんの視点や分岐を持って眺めていけるようになって初めて、食が変わるのを実感出来るようになりました。





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