忘れてはいけないのが、何事も「個人差」があるということ。「あの人」がよかったからと言って「私」に合うかどうかは試してみないと分からない。何故なら私たち人間は、誰もが唯一無二の存在。外見も、内臓も、特性も、全て違います。栄養も同じ。いま現在の夫に見合った食事法を模索しています。
食事には西洋医学、東洋医学、中医学やアーユルヴェーダ伝統医学などの無数の捉え方があります。これだけ歴史は古く世界は広いのです。様々な考え方があって当然。それぞれの学問のメリットに焦点を合わせて自らで選択し、柔軟性を持って生活に取り入れていくことが素晴らしいと私は思います。最も大切なのは個人に合った食事、自身の身体としっかりと向き合うこと、感じていくことです。
私は2001年から側近で山瀬功治1人を追ってきました。2度目の前十字靭帯断裂をした2004年からは毎食の記録をとっています。夫1人だけを見ても若い頃と今とでは、体の作り方も食事法も全く異なります。経験、年齢、嗜好の変化。そこに共存者の知恵や知識も副産物として積み重なります。
自分が今、どんな状態なのか、どんな栄養素を欲しているのかを感じること、自身の体としっかり向き合うことが最も大切だと思います。昨日と今日だけを切り取っても、体は常に変化しているからです。
夫の現在のコンディションをコミュニケーションの中から自分なりに捉え、想像力を駆使して食材を選択し、どうすればより、食材の良さを、夫にとっての最良を引き出せるかを考えながら調理していくことで、私自身も食べ物の持つ力を知り、食べ物に対して自然と感謝が出来るようになりました。
食べてくれる人に「思いやり」を持つことで、出来上がった料理により一層ポジティブな意味を持たせて命を吹き込めます。