連戦は、いかにして試合で消耗した脳と体を疲労回復していくのか、食欲の有無はどうなっているかが1番はじめに行うチェックポイント。いつも以上に確実に、コンパクトに食事内容に充実感を持たせる。食材の細やかな情報提供も合わせて、夫から要求されます。
サッカーの場合、1試合での運動量が多いため、試合を重ねていくにつれ、意図しないところでも筋量は増えていきます。今シーズン頭から4キロの減量で調整している夫は、筋量すらもあまり増やしたくない中で(増えすぎると体が重くなる感覚を覚えるとのこと)「量」もある程度食べなければ体内から失われた栄養が補充できない。さじ加減が必要です。
夏場になると、暑さや疲労で必然的に食欲がどっと減退していくので、ワンプレートにするなど「視覚」に変化をつけることも効果的。(1試合で3キロ近くウエイトが落ちます)
試合後の食事例1品として鶏むね肉の(イミダゾールジペプチド)のトマトスープ煮込みを。2種のパプリカ(色によって栄養素が違います)などの野菜を夫の好きなニンニクの芽を入れて栄養価を繋ぎ、〆に雑炊にして糖質の補給を。
試合翌日の朝食例1品。
くずし豆腐のおかゆ風。内臓も疲労する試合後は消化が良く胃に負担のかかりにくい液状のものでの水分補給が有効。胃の粘膜を保護する目的とたんぱく質、炭水化物を意識。しらす、ミョウガ、焼き海苔、卵、かぼす、絹どうふ、餅などが入っています。お出汁は昆布と鰹の混合。
お出汁の香りにも脳を刺激する作用が。眠りからさめたばかりの身体を起こし、スイッチを入れてくれます。また、朝にお出汁をしっかりとっておけば、昼、夜の食事作りにも生かせること。調味料も少なくて済みます。
同様に柑橘類をふんだんに使えば、ビタミンC、クエン酸の摂取だけでなく、アロマテラピー概念に焦点を合わせていくと、香り成分リモネンに抗疲労効果が。嗅覚は五感の中で唯一、大脳辺縁系にダイレクトに届き、記憶・情動の中枢と繋がっています。栄養と同じくらいにスポーツ選手に重要なメンタルへのポジティブ要素を増やすことができます。
柑橘やお酢の酸を利用することで、お出汁同様に調味料を少なく出来ることもメリット。
日々の食事作りは、栄養価だけにとらわれるのではなく、身体への吸収、消化までの時間も考慮。栄養調理が根元にありながらも、五感で感じることを大切にし、包括的に捉えながら生活のあらゆる要素を鎖のように繋げていくものです。